【H29年度ものづくり補助金】申請書作成上の注意点・要点

補助金申請の5つの注意点・要点


どれだけ優れた補助事業計画であっても、審査は書類のみとなります。もちろん「書類上の作成ミス」があっては、たとえ素晴らしい補助事業内容であっても、補助金の案件採択決定には至りません。ものづくり補助金申請書作成上の注意点・要点について、いくつか列挙しましたので、申請を行うにあたり最大限注意をしましょう。

 

(執筆:株式会社エベレストコンサルティング 代表取締役 野村篤司(行政書士))

 

申請書の注意点・要点①公募要領を徹底して読み込む。

「ものづくり補助金」は平成25年からスタートし、今ではすっかり定番の「大型補助金」となりましたが、毎回「公募要領」が発表され、その補助率や補助額、申請類型が少し異なっております。「前回は不採択だったので今年はリベンジだ」と意気込んで準備しても、審査のポイントが変わっていたり、加点ポイントが増えていたり、毎年変わるため、注意が必要です。前回までの知識や記憶はすべて忘れて、申請年度の公募要領を徹底して読み込むことが注意点①です。

 

申請書の注意点・要点②誰でも理解できるようにする。

「ものづくり補助金」が「大型補助金」と言われる背景には、「裾野の広さ」があります。特定の業界に絞られることもなく、また製造業に限らずに「サービス業」であっても申請対象です。しかし、「審査員」(中小企業診断士等へ委託されるようです)はあらゆる業界の事情や加工技術等の知識を備えているわけではなく、その業界に関する知識について、申請者よりも詳しいということは基本的にはないでしょう。業界の知識は、その業界で戦っている事業者の方が詳しいのが常なのです。

 そのため、申請者にとっては「当たり前」であっても、誰でもわかるように「簡潔に」説明しなくてはわかりません。特に業界特有の業界用語や専門用語については審査員の中で「?」がついてしまうことが予想されます。「審査」をしているのは人工知能(AI)ではなく、人間なので、一度「?」がついてしまうと、ネガティブな評価に流されることでしょう。毎年全国から大量に申請される「ものづくり補助金」では、競争も熾烈で、「1点」が採択と不採択を分けます。この「1点」の差で涙を流すことのないように、誰でも理解ができる簡潔で明快な補助事業内容について説明した文章になるように、「表」や「イメージ図」を使用し、申請書の書き方を工夫しましょう。

 

申請書の注意点・要点③壮大な事業よりも現実路線で。

「ものづくり補助金」は、書類審査を突破して「採択」されただけでは、すぐに補助金が交付されるわけではありません。公募要領等にも明記されていますが、「採択」された後に「補助対象事業」を事業実施期間内に実行(終了)し、その事業成果が認められて初めて、事業者からの請求に基づき、交付されるのです。つまり、【「採択」は受けたけど事業が実施できずに補助金の「交付」を受けられなかった】というケースもしばしばあります。経済産業省としては、総額「1000億円」もの多額の国家予算を割り当ててもらったにも関わらず、多くの事業者が「交付を受けられなかった」となり、予算が使い切れず、それによって想定された経済効果が得られず、大問題になるわけです。

 

私も経営者ですから、「大きなビジョンを語るのが経営者の仕事」なんて言っていますが、補助金申請書作成上は、しっかりと補助事業を遂行でき「交付」まで辿り着けるように、確実に実行できる「現実路線」の補助事業計画で作成をするように注意が必要です(もちろん、当社スタッフの前では壮大なビジョンを語っていただいて構いません!壮大に描きましょう!)。

 

申請書の注意点・要点④審査項目は満遍なく抑える。

「ものづくり補助金」の公募要領において、「審査項目」は事前に発表されています。これら審査項目の1つ1つについて、非公開の「採択審査委員会」において審査員3~4人が審査をしていくのですが、あいまいで抽象的な「(10点満点などの)点数」をつけるのではなく、「該当するか・しないか」(YES・NO方式)で審査を行うものと推定されます(※審査方法は開示されていないのであくまで当社の推測であり、年度ごとに異なる可能性があります)。つまり、案件「採択」の可能性を高めるためには、すべての審査項目について、「該当する」ように記載することがポイントです。小学校の通知表で言えば「5」の数ではなく、「オール(全教科)4」を目指すイメージですね。

 

申請書の注意点・要点⑤加点項目は必ず網羅する。

毎年度、「ものづくり補助金」において政策的な見地等から「加点項目」が定められています。本ブログ執筆現在では、平成29年度ものづくり補助金公募要領は未発表ですが、現在の政策的な見地からすれば「賃金アップ」と「IT利活用」の2つは加点項目になるであろうと推測しています。これら加点項目がいくつあるかは公募要領が発表になるまでわかりませんが、熾烈な採択争いとなっている「ものづくり補助金」では、これら加点項目について、すべて網羅して加点を確実に取る、ことが申請書作成上のポイントになります。申請書の平均的な質が上がってきていますから、「ちょっと綺麗に書いた」だけでは通用しません。取るべき加点はしっかり取りに行く、という姿勢が重要です。

 

【まとめ】注意点・要点を抑えれば難しくありません!

「ものづくり補助金」は、平成29年度は「1万社を支援」すると政府が発表し、例年よりも増して注目されています。これまでのように「3000万円」という大型の申請類型は消滅しますが、すそ野が広がったように感じられます。これは当社の推測ですが、平成29年度申請では、全国での申請件数は過去2番目に多い2万件程度、採択率は50%程度になるのではないかと考えています。

 

2社申請したら1社は不採択になってしまう計算ですが、上記5つの注意点・要点を抑えれば、採択確率はそうでない企業よりも高まり、それほど難しい補助金にはならないでしょう。

 

なお、平成29年度申請からは、当社のような「専門家経費」が新たに加算して設けられました。そのことからも、「専門家に申請書の作成等支援をしてもらって補助金申請をする」というのがスタンダードになってくるのではないかなと考えています。反対に言えば、当社のような外部の専門家を利用せずに自社だけで申請を行うのは厳しくなるのかもしれません。会社のトップである経営者が「書類作成」で時間を取られているのも、望ましくないでしょう。効率的な経営を考え、かつ採択可能性を高めたい場合は、お気軽に当社へ(株式会社エベレストコンサルティングものづくり補助金等支援事業部)へご相談くださいませ。